難病医療推進センター
ご挨拶
センター長
希少難病は、一般的に数千人に一人くらいに発症する稀な疾患を意味しています。これまでは、診断が難しく、治療法もない状態でありましたが、最近では、遺伝子診断の拡充や酵素補充療法などの開発により、診断・治療両面で非常に進歩している分野であります。
また、小児慢性特定疾病や指定難病などの、医療費の公的助成制度も充実してきています。当センターは、骨疾患、内分泌疾患、先天代謝異常疾患を中心に、難病医療の推進に取り組んでいます。また、新しい治療法の開発も活発に行われている状況であり、体制を整えて、治験にも取り組む予定であります。
さらに、行政機関との連携や患者会との交流の窓口となります。当センターは、難病研究、難病医療、ゲノム医療の推進に貢献し、希少難病に苦しむ多くの患者さんに救いの手を伸ばしたいと考えています。
副センター長
難病医療推進センター、副センター長の酒井規夫です。先天代謝異常症、先天異常、遺伝性疾患を専門とした研究、診療を行ってきましたので、本センターでは難病患者さんの診療を積極的に行っていきたいと思っています。
特に指定難病に31疾患が登録されているライソゾーム病については、酵素診断を用いた専門的な診断法の継続、酵素補充療法、シャペロン療法、基質合成抑制療法などの先進的な治療の実践を行ってゆきたいと思っています。
そして、難病の多くの疾患は遺伝性であり、患者さんご家族に対する遺伝カウンセリングが重要ですので、その実践も当院で行ってゆきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
非常勤
成人の代謝性骨疾患を担当しています。くる病、骨軟化症、骨形成不全、骨パジェット病(骨ページェット病)等の骨難病のみならず、重症骨粗鬆症の評価・治療を行います。
重症骨粗鬆症には、内分泌疾患等による続発性骨粗鬆症が隠れていることがあり、骨粗鬆症の改善には原疾患のコントロールが欠かせません。
現在、大阪公立大学附属病院・骨内分泌内科に所属しておりますが、大学病院と同様、成人骨難病・重症骨粗鬆症の診療に取り組んでまいります。
部長
2024年4月より小児科に着任しました成田綾です。先天代謝異常症、小児神経疾患を専門とした研究・診療を行っております。
同じく4月より着任された酒井先生と一緒に、特にライソゾーム病について、通常の診療に加えて、これまで大学で行ってきた生化学的診断や治験を含めた新規治療法の開発を行う所存です。
患者さんやご家族が安心して日常生活を送り、自己実現していけるお手伝いが少しでもできたら幸いです。よろしくお願いいたします。
主任部長
皮膚症状が主となる難病として、水疱性疾患や重症薬疹、膠原病など10数種の疾患が皮膚・結合組織疾患として法的に難病として指定されています。しかし皮膚症状が診断や治療において重要な位置を占める難病は、これら以外にも先天性疾患や代謝異常症など数多く存在します。
近年では分子標的薬や抗体治療薬の開、になってきた疾患も増えつつありますが、一方で、皮膚症状に対して皮膚外科や形成外科的な外科処置や手術が必要となるものも少なくありません。
当科では、こういった皮膚症状を有する難病の診断と治療に積極的に取り組んでおりますので、お困りの方がおられましたら、地域医療窓口を通してご相談いただければ幸いです。
突発性拡張型心筋症など循環器疾患難病について
主任部長
循環器領域における難病には、様々な心筋症(特発性拡張型心筋症、肥大型心筋症など)、肺高血圧症、バージャー病などがあります。いずれも早期に精査を行い、迅速な診断と適切な治療介入が必要です。
例えば、特発性拡張型心筋症は、心室の収縮低下と拡張が進行し、心不全や致死的不整脈のリスクが高まります。遺伝的要因や環境要因が病態に寄与するとされ、心エコーや心臓MRI、遺伝子検査などを駆使して正確な診断が求められます。また、バージャー病は末梢動脈炎症に起因する虚血性疾患で、特に若年男性に好発し、四肢の壊疽に至ることもあります。
早期の禁煙が最も重要であり、重症例では血行再建術が検討されることもあります。これらの循環器疾患難病に対するアプローチには、早期診断・治療のための包括的な医療体制と、他職種チームによる集学的な治療計画が必須です。当センターでは、これらの稀少疾患に対し、最先端の診断技術と治療法を提供します。
消化器難病疾患について
主任部長
消化器センターでは、潰瘍性大腸炎、クローン病、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎などの指定難病を病診連携を図りながら診療しております。このような希少難病は大学病院などの専門医療機関で診断されることが多いですが、大阪府難病医療協力病院として、私たちの地域の役割は重要であると考えます。
慢性的な下痢、血便、腹痛や肝機能障害などから診断されることが多く、完治はしないものの新たな治療法により普通の生活が出来る疾患も増えてきました。当院では透析設備も整っており、G-CAP(顆粒球吸着療法)などの治療が可能であり、副作用も少なく積極的に取り入れております。
当センターでは、さらなる難病にも対応できるよう、スタッフ一同全力で取り組んで参りますので、広くご相談いただけますと幸いです。
神経難病について
主任部長
神経難病には大きく分けて、①パーキンソン病や脊髄小脳変性症、アルツハイマー型認知症などの慢性進行性の脳神経変性疾患、②多発性硬化症、視神経脊髄炎、重症筋無力症、慢性炎症性脱髄性神経根症、多巣性運動ニューロパチーに代表される神経免疫疾患、③筋ジストロフィーやミオパチーなどの筋疾患、④てんかんなどの発作性疾患の4種類に分けられます。
当院ではいずれの疾患に対しても診断・治療が可能であり、上記疾患の診断確定後はもちろん、それ以前の原因不明や診断未確定症例に対し丁寧な病歴聴取・神経学的所見の診察、PET/SPECT、3T-MRI、脳血管撮影検査などの画像診断、電気生理学的検査や脳波などの生理学的検査、その他生化学検査や病理診断などを駆使してより的確に正確な診断を行っています。
お困りの方がおられましたら地域連携センターを介し連絡いただければ診察させていただきます。
センター紹介
骨疾患、内分泌疾患、先天代謝異常疾患を中心とする稀少難病の生化学検査、画像診断、遺伝子診断などを行い、これら疾患に対する酵素補充療法、ホルモン補充療法などを行います。皮膚科、循環器内科、消化器内科、脳神経内科においても積極的に難病医療に取り組んでいます。
主な疾患
- 骨形成不全症
- 軟骨無形成症
- 低ホスファターゼ症
- X連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症
- 成長ホルモン分泌不全性低身長症、先天性副腎過形成症
- 先天性甲状腺機能低下症
- マッキューン・オルブライト症候群
- モルキオ病
- ライソゾーム病(ゴーシェ病、ポンペ病、ファブリー病、ムコ多糖症、クラッベ病など)
- 神経代謝疾患
- 新生児マススクリーニング対象疾患
- 自己炎症症候群
治療
酵素補充療法、ホルモン補充療法、骨吸収抑制療法、骨形成促進療法
大阪府難病医療協力病院に指定されました
当院は、令和6年6月26日付で大阪府難病医療協力病院の指定を受けました。
「大阪府難病診療連携拠点病院」、「大阪府難病診療分野別拠点病院」と連携し、積極的に難病患者さんの受入れや治療を行っています。
また、地域の病院・診療所及び保健所等関係機関からの難病患者に関する相談や必要に応じて患者の受け入れも行っています。
動画のご紹介
医師紹介
- 難病医療推進センター長
- 日本小児科学会 専門医・指導医
- 日本内分泌学会 日本内分泌代謝科(小児科)専門医
- 日本骨粗鬆症学会 認定医
所属学会
日本小児科学会 評議員、大阪小児科学会 会長、日本内分泌学会 理事、日本小児内分泌学会 理事、日本ステロイドホルモン学会 理事、日本骨粗鬆症学会 監事、日本難病医療ネットワーク学会 理事、日本先天代謝異常学会 評議員、日本再生医療学会 評議員、日本骨代謝学会 評議員、日本小児保健学会 評議員、日本新生児生育医学会 会員、日本小児腎臓病学会 会員、日本小児循環器学会 会員、日本ビタミン学会 会員、American Society for Bone and Mineral Research 会員、American Endocrine Society 会員、European Society for Pediatric Endocrinology 会員
専門分野
骨代謝学/小児内分泌学/小児腎臓病学
骨カルシウム疾患・内分泌疾患、低ホスファターゼ症(全身の骨・軟骨に異常がみられる骨系統疾患)
- 難病医療推進センター 副センター長
- 日本小児科学会・日本専門医機構 専門医
- 日本小児科学会 出生前コンサルタント小児科医
- 日本小児神経学会 専門医
- 日本人類遺伝学会 専門医・指導医
- 厚生労働省医政局 医師の臨床研修に係る指導医講習会 修了
所属学会
日本小児科学会 会員、日本人類遺伝学会 評議員、日本遺伝カウンセリング学会 評議員、日本先天代謝異常学会 理事、日本小児保険協会 理事、日本難病医療ネットワーク学会 理事
専門分野
小児感染症学/小児リウマチ学/膠原病
小児疾患、先天代謝異常症(特にライソゾーム症)、先天異常、遺伝疾患、遺伝カウンセリング
- 小児科 主任部長
- 日本小児科学会 専門医・指導医
- 日本小児感染症学会 認定医
- 出生前コンサルト小児科医
- 厚生労働省健康局 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会 修了
所属学会
日本小児科学会、日本小児リウマチ学会、日本免疫不全・自己炎症学会、日本小児感染症学会、日本エイズ学会、日本小児救急学会、日本小児神経学会
専門分野
小児感染症学/小児リウマチ学/膠原病
感染症全般から原因不明の熱や痛みの外来・入院診療
- 小児科 部長
- 日本小児科学会 専門医・指導医
- 厚生労働省医政局 医師の臨床研修に係る指導医講習会 修了
所属学会
日本小児科学会、日本小児腎臓病学会、日本小児内分泌学会 評議員、日本小児思春期糖尿病学会、日本骨粗鬆症学会、日本骨代謝学会、日本糖尿病学会
専門分野
骨系統疾患・骨代謝疾患・小児腎疾患・1型糖尿病の診療
- 小児科 部長
- 医学博士
- 日本小児科学会・日本専門医機構 専門医
- 日本小児神経学会 専門医
- The National Center for Child Health and Development Resident in Pediatrics
所属学会
日本小児科学会、日本小児神経学会、日本先天代謝異常学会、日本マススクリーニング学会、日本人類遺伝学会
専門分野
小児神経(神経変性疾患)、先天代謝異常症(ライソゾーム病)
- 小児科 副部長
- 医学博士
- 日本小児科学会 専門医・指導医
- 出生前コンサルト小児科医
- ARO協議会 認定プロジェクトマネージャー
所属学会
日本小児科学会、日本小児内分泌学会、日本小児骨代謝学会、日本再生医療学会、ARO協議会
専門分野
骨系統疾患
臨床研究・治験
- 大阪公立大学・准教授(医学研究科・代謝内分泌病態内科学)
- 日本内科学会 総合内科専門医・指導医
- 日本内分泌学会 専門医・指導医
- 日本糖尿病学会 専門医・研修指導医
- 日本老年医学会 専門医・指導医
- 日本骨粗鬆症学会 認定医
所属学会
日本内科学会 近畿支部評議員、日本内分泌学会 代議員、日本糖尿病学会 会員、日本老年医学会 会員、日本骨粗鬆症学会 評議員・骨代謝マーカー検討委員・認定医制度委員、日本骨代謝学会 評議員、日本骨形態計測学会 評議員、日本 CKD-MBD 学会 理事、日本透析医学会 会員、日本腎臓学会 会員、米国骨代謝学会 会員、米国腎臓病学会 会員、国際骨代謝学会 会員
専門分野
骨粗鬆症、成人代謝性骨疾患(くる病・骨軟化症、骨パジェット病、骨形成不全等)
他科の医師紹介
- 診療副院長
- 皮膚科 主任部長
- 日本皮膚科学会 専門医・皮膚悪性腫瘍指導専門医
- 日本臨床皮膚外科学会 理事
- NPO 法人皮膚オンコロジー若手教育機関 副理事長
- 大阪国際がんセンター 特別研究員
主な経歴
- 1983年 関西医科大学卒業
- 1983年 関西医科大学皮膚科学教室 研究医員
- 1987年 ドイツ連邦共和国キール大学皮膚科 客員研究員
- 1990年 関西医科大学皮膚科学教室 助手
- 1996年 関西医科大学皮膚科学教室 講師
- 2007年3月 関西医科大学皮膚科学講座 准教授
- 2014年9月 大阪医療センター皮膚科 科長
- 2016年10月 大阪府立成人病センター腫瘍皮膚科 主任部長
- 2017年3月 大阪国際がんセンター腫瘍皮膚科 主任部長
- 2023年5月 医誠会病院皮膚科 主任部長
- 2023年10月 医誠会国際総合病院皮膚科 主任部長
- 循環器内科 主任部長
- 医学博士
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本循環器学会 循環器専門医
- 日本高血圧学会 高血圧専門医・指導医
- 日本心血管インターベンション治療学会 CVIT認定医・心血管カテーテル治療専門医・施設代表医
- 浅大腿動脈ステントグラフト実施医
- リードレスペースメーカー(Micra)実施医
- 日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士
- 植込み型除細動器/ペーシングによる心不全治療研修 修了
- 日本心不全学会 心不全緩和ケアトレーニングコース(HEPT) 受講
- 厚生労働省医政局 医師の臨床研修に係る指導医講習会 修了
- 消化器内科 主任部長
- 日本内科学会 認定内科医・専門医
- 日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医
- 日本消化器病学会 近畿支部評議員
- 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
- 日本消化器内視鏡学会 近畿支部評議員
- 日本胆道学会 指導医
- 日本膵臓学会 認定指導医
- 厚生労働省健康局 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会 修了
- 脳神経内科 主任部長
- 日本内科学会 認定内科医
- 日本神経学会 専門医・指導医・評議員
- A型ボツリヌス毒素製剤(ボトックス講習・実技セミナー)眼瞼痙攣・片側顔面痙攣 受講修了
外来スケジュール
先天代謝外来
軟骨無形成症、骨形成不全症などの骨系統疾患、ビタミンD欠乏性くる病などの骨代謝疾患、成長ホルモン分泌不全性低身長・SGA性低身長などの成長ホルモン治療、1型糖尿病などの内分泌疾患、腎炎・ネフローゼ・先天性腎尿路異常症などの小児腎疾患の診療を行っています。
骨代謝・骨粗鬆症外来
代謝性骨疾患、二次性骨粗鬆症を小児から成人までシームレスに診療します。
午前外来 受付時間 8:30~11:30 / 診察時間 9:00~12:00
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
診察室 6 |
先天代謝外来 酒井(成田) |
先天代謝外来 成田 |
専門外来 大薗(齋藤)*2 |
||
診察室*1 | 骨代謝外来 大薗 |
骨粗鬆症外来 今西 |
*1 骨代謝外来および骨粗鬆症外来の診察は整形外科外来の診察室4です
*2 大薗医師 水曜午前10時は初診のみです
午後外来 受付時間 13:00~16:00 / 診察時間 13:30~16:30
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
診察室 6 |
専門外来 大薗(北岡)*3 |
腎・骨代謝外来 北岡・齋藤 *4 |
先天代謝外来 酒井(成田) |
||
内分泌・糖尿病外来 中道 |
*3 大薗医師 月曜午後14時は初診のみです
*4 北岡医師は第1・3・5、齋藤医師は第2・4で担当いたします
お知らせ
- 2024/10/22
- ご挨拶を更新しました
- 2024/10/17
- 外来スケジュールを更新しました
- 2024/09/24
- ご挨拶を更新しました
- 2024/08/30
- 教えて医誠会「ライソゾーム病ってどんな病気?~第3回 ライソゾーム病の治療~」動画を公開しました
- 2024/08/22
- 教えて医誠会「ライソゾーム病ってどんな病気?~第2回 ライソゾーム病の診断~」動画を公開しました
- 2024/08/15
- 教えて医誠会「ライソゾーム病ってどんな病気?~第1回 ライソゾーム病とは~」動画を公開しました
- 2024/06/26
- 大阪府難病医療協力病院に指定されました
- 2024/05/30
- [プレスリリース]高校生13名と小児科医6名が意見交換し、地域の医療啓発活動に貢献
- 2024/05/07
- ご挨拶・医師紹介を更新しました
- 2024/05/07
- ご挨拶・医師紹介を更新しました
- 2024/04/26
- 医師紹介を更新しました
- 2024/04/02
- 医師紹介、外来スケジュールを更新しました
- 2024/02/01
- 世界希少・難治性疾患の日(3月9日開催)イベント当日の動画を公開しました
- 2024/03/11
- ご挨拶・センター紹介・医師紹介・外来スケジュールを更新しました
- 2024/01/31
- ご挨拶・センター紹介・医師紹介・外来スケジュールを更新しました
過去のイベント情報
プレスリリース